日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
ER型救急システムにおける室配置の要望に関する調査研究
江川 香奈水嶋 知也角地 祐幸境田 康二木村 敦
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2017 年 20 巻 1 号 p. 47-54

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抄録

目的:ER 型救急システムを導入している施設の救急部は,さまざまな患者が来院し,多職種の医療者による業務展開があるため,諸室の配置が業務に大きく影響し得る。施設設計を行う際の検討事項を模索する調査研究を実施した。方法:船橋市立医療センター救急部を対象に,室配置に関する質問調査を実施した。結果:診療関連諸室を集約配置した後に,検査関連,患者使用関連,医療者休憩諸室が近接することが望まれた。また,トリアージ室のスタッフステーションとの近接,徒歩患者の医療側との動線分離,救急部外への移動負担の軽減,手術室やMRI検査室,家族説明室などの配置が求められた。結論:ER型救急システムを運用する施設設計の際には,医療者側と患者側の動線に配慮しつつ診療関連諸室を集約配置した後に検査関連諸室を近接させ,他方スタッフステーションとトリアージ室を接点とし診療関連諸室と患者使用諸室を近接させる室配置が望ましい。

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© 2017 日本臨床救急医学会
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