2017 年 20 巻 1 号 p. 55-63
本研究の目的は,わが国の地方のひとつである山口県で,救急外来に勤務するトリアージナースの役割実践の度合いと影響する因子について明らかにすることである。影響因子として,トリアージナースとしての「経験」「教育歴」「特性の認識」「能力発揮の度合い」「役割実践の自信と不安の程度」について調査した。山口県内の救急告示病院全60施設から,1施設あたりトリアージナース5名を調査対象者とし(計300名),郵送法による質問紙調査を実施した。有効回答者数は89名であった。トリアージナースがもっとも行っていた役割は「患者・付添人とのコミュニケーション」と「適切な場所への患者の誘導」であった。「トリアージ記録の記載」については,実践の程度がもっとも低く,自信も低かった。役割の実践には,専門的「教育」があることと,トリアージに必要な「能力発揮の度合い」の高さとトリアージ役割に「自信」をもっていることが影響していることがわかった。