日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
症例・事例
構音障害を主訴に来院したカペシタビン関連白質脳症の1例
吉田 拓也松島 暁橋本 成弘橋本 奈々子甲賀 麻里子宮地 正彦
著者情報
キーワード: 薬剤性脳症, 仮性球麻痺, MRI
ジャーナル フリー

2018 年 21 巻 1 号 p. 33-36

詳細
抄録

症例は53歳女性で,乳癌がありカペシタビンの投与が開始された。服用開始4日目に口のもつれを自覚し,8日目に構音障害を主訴に当院へ救急搬送された。来院時Japan Coma Scale 0,構音障害を認めた。頭部CTでは器質的な病変は認められず,頭部MRIを行ったところ,脳梁および放線冠(深部白質)が拡散強調画像において高信号を認めた。病歴および画像所見からカペシタビンによる白質脳症と診断した。カペシタビン休薬2日目に構音障害は改善した。それに伴い,頭部MRIの所見も改善した。構音障害を主訴とする救急搬送症例を経験することは多い。脳血管障害や代謝性疾患など鑑別疾患は多岐に及ぶが,鑑別には身体診察や血液検査などとともに頭部CTやMRIなどの画像診断学的アプローチは不可欠である。薬剤性脳症は頭部MRIにおいて特徴的な画像所見を呈することが知られており,鑑別に重要である。

著者関連情報
© 2018 日本臨床救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top