抄録
貧血を伴う胃潰瘍で治療中の56歳の男性に,胃透視検査と胃内視鏡検査を行ったところ,胃体部後壁に胃粘膜下腫瘍を認めた.腹部超音波と腹部CTスキャンによる検査では腫瘍は膵前面に位置し,長径約7cm,充実性で胃外性発育を呈していた.平滑筋肉腫を疑い手術を施行した.肝転移や腹膜播種の所見は認められず,広範囲胃切除術とリンパ節郭清を行った.腫瘍は7.5×6.2×4.2cmの大きさで,一部に嚢胞形成がみられ,胃体部後壁から1.0×2.5cmの茎を有して壁外性に発育していた.
胃腫瘍の有茎性胃外性発育は他の発育形態には見られない臨床上の特徴を有するので,症例を呈示するとともに本症の臨床的特徴及び外科治療の問題点について考察した.