日本臨床救急医学会雑誌
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原著
急性腎障害合併播種性血管内凝固症候群患者に対する遺伝子組み換えヒト可溶性トロンボモジュリン製剤の至適投与量の検討
中村 智美石倉 宏恭中野 貴文仲村 佳彦神村 英利
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キーワード: rTM, DIC離脱率, 腎機能障害, CHDF
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2018 年 21 巻 4 号 p. 589-596

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抄録

播種性血管内凝固症候群(DIC)治療薬の遺伝子組み換えヒト可溶性トロンボモジュリン(rTM)の急性腎障害(AKI)患者への至適用量を検討した。rTM を1日1回380U/kgまたは130U/kgで投与したDIC合併AKI患者129例を対象とし,持続的血液濾過透析(CHDF)の有無およびrTMの投与量別に,有効性・安全性を評価した。DIC離脱率は,CHDFを施行しなかった患者群ではrTMの用量による違いはなかったが,CHDF施行群では380U/kg群のほうが高い傾向であった(p=0.050)。出血率はCHDFの有無およびrTMの用量間で差はなかった。以上より,AKI合併DIC患者にはrTM 130U/kgと380U/kgで有効性,安全性に差はないものの,CHDF施行時には380U/kg投与によりDIC離脱の可能性が高まることが示唆された。

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© 2018 日本臨床救急医学会
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