2018 年 21 巻 4 号 p. 597-604
背景:医療機関では現場活動救急隊(現救隊)の傷病者収容依頼(収容前情報)から病態を想定し診療準備をする。収容前情報の不備は初期治療の遅れにつながることがある。多職種参加のoff-the-job trainingを企画し課題を検討する。方法:現救隊役は意識障害事案の観察・処置を5分間で行う。次に現救隊は医療機関および現救隊以外の消防職員へ2分間で収容前情報を送る。その後,参加者全員で現場活動と通報内容を検証する。病態の違う5シナリオを実施する。結果:現救隊は想定された疾患をすべて正答したが,初期評価の順番・呼吸数や意識レベルの評価・痛み刺激のタイミングと回数にばらつきがあった。医療機関では,収容前情報で異常な病態の強調・意識清明期と家族の救急車搭乗の確認を求めた。考察:現場活動をみることは他職種のみならず同職種間の振り返りを客観的にさせた。制約された救急現場で洗練された情報伝達をするために多職種合同のシミュレーション教育が有用である。