2018 年 21 巻 6 号 p. 715-720
目的:中大脳動脈(以下,MCA)の水平部(以下,M1)に加えてその近位にあたる内頸動脈の頂部(以下,IC-top)までCT値の計測範囲を拡大することによる動脈閉塞の診断能について検討する。方法:2009年1月〜2013年9月の間で発症24時間以内に淀川キリスト教病院を受診したMCA領域の片側性急性期脳梗塞連続50例を脳梗塞群,脳梗塞のない連続50例を対照群とし,対照群については仮想の患側・健側を対応させてその患側のCT値および患側と健側のCT値の差について後方視的に比較した。結果:救急医,放射線科医の2名が各々計測した患側・健側のCT値に関する級内相関係数は0.84であった。患側のCT値は脳梗塞群43.5(31.2〜52.8)HU,対照群35.5(26.0〜42.2)HU,患側と健側のCT値の差は脳梗塞群6.0(−1.0〜16.8)HU,対照群0.75(−6.0〜6.5)HUといずれも脳梗塞群で高かった(p<0.001)。結論:IC-topからM1でのCT値を実測することにより,MCA領域の急性期脳梗塞に対する動脈閉塞の診断精度が従来よりも向上する可能性が示唆された。