日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
多数傷病者救出現場におけるトリアージ情報を遠隔医療機関において把握する:QRコード®を用いた簡易的システムの実動訓練における試用報告
山田 浩二郎荒井 徹並木 誠杉木 大輔福島 憲治八坂 剛一有馬 健根本 学松島 久雄
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2018 年 21 巻 6 号 p. 752-760

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抄録

システムと訓練概要:われわれはインターネット(以下,NET)上にQRコード® を用い接続可能な傷病者情報管理システム〔現有する紙タッグにQRコード® を貼りつけ,救助者は,トリアージポスト(以下,ポスト),応急救護所,救急車および医療機関においてタッグ記入後,市販情報端末にて入力,集計結果を示す本部画面はNETに接続した機器で複数箇所にて閲覧可〕を開発し,今回実働訓練(傷病者22名)において試用した。評価項目と結果およびまとめ:①ポスト入力時間は36.0±7.7(最短26−最長60)(秒)であった。②訓練中現場より離れた3医療機関に本部画面閲覧を依頼。ポスト通過者数,応急救護所人数,搬送数および医療機関搬入数について7回照会した。その結果19/21回答(90.5%)が一致した。③発災後の個別の傷病者情報を同方法で3回質問し正答8/9(87.8%)であった。災害時傷病者情報管理でも導入側コスト負担ほぼゼロのシステム構築が可能である。

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© 2018 日本臨床救急医学会
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