2019 年 22 巻 1 号 p. 14-19
目的:diagnosis procedure combination(DPC)と消防庁の救急蘇生統計を機械的に結合させた院外心停止データベース構築の実現の可能性を検討した。方法:都内某大学病院のDPCデータ(2012〜2014年)より院外心停止が疑われる症例をICDコード(I460,I461,I469)によりキーワード抽出した。これらの症例と救急蘇生統計とを性別,年齢,病院到着日,都道府県を結合キーとして個人結合を試み,どの程度正しく結合できたか確認した。結果:DPCデータからキーワード抽出した271例のうち,救急蘇生統計と結合できたのは66%(179例)であった。期間中に当該病院に院外心停止で入院したのは286例であったが,正しく結合できたのはそのうち55%(158例)にとどまった。結論:DPCと救急蘇生統計とを機械的に結合したデータベースを構築するには方法論的な課題があることがわかった。