2019 年 22 巻 1 号 p. 27-32
救急診療では病態の評価と治療方針の決定が同時に行われるため,医師・看護師にはテクニカルスキルに加え,ノンテクニカルスキルが求められる。今回,救急領域におけるノンテクニカルスキルの習得を目標とした研修Non-Technical Skills for Acute Medicine(NoTAM)を策定し,本研修を受講することによる看護師のチームワークに対する意識変化について検討した。NoTAM研修を受講した看護師12名を対象に,受講前と受講1カ月後にアンケート調査を行った。各質問項目を6段階で評価し,4つのカテゴリーごとに受講前後の点数を比較した。結果,『問題指摘に対する抵抗感』の項目である【はっきりしないときは自分の意見を言うことをためらう/知識不足なせいで意見が言いにくいことがよくある/他チーム員の前でわからないことを質問するとき,力不足だと感じる】が有意に低下し,チームワークにおける看護師のメンバーシップについての理解が深まったと考えられた。