日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
水分制限下における散剤服用方法
―簡易懸濁法の有用性―
山口 泰弘德井 志野松尾 待池赤﨑 大恭川谷 梨沙園村 昌弘浦本 邦弘
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2019 年 22 巻 1 号 p. 33-37

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抄録

水分制限は口渇が問題となるが,簡易懸濁法は災害時少ない水分量で投与できたという報告があり,今回散剤群と簡易懸濁群における服薬時飲水量を比較し水分制限下における散剤服用方法,簡易懸濁法の有用性について検討した。歯科治療中でない成人に,①散剤群:乳糖を摂取,②簡易懸濁群:乳糖を温湯で懸濁した後摂取し,水分摂取量を測定した。対象被験者10人(男性5人,女性5人),平均年齢34.2±5.7歳。簡易懸濁群において服薬時飲水量が有意に少なかった(p<0.05)。回帰式は散剤群:y=35.1x+40.7(x<1.0g),y=8.3x+66.4(x≧1.0g)。 簡易懸濁群:y=34.3x+15.2(x<1.0g),y=7.0x+42.7(x≧1.0g)〔x:服薬量(g),y:飲水量(mL)〕であった。簡易懸濁群は服薬時飲水量が少なくできることが示唆された。上記回帰式を使用すれば服薬時飲水量の概算ができる。

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© 2019 日本臨床救急医学会
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