和歌山県立医科大学附属病院では2003年1月からドクターヘリを運行しており,一般的な救急医薬品のみを携行し,現場で処置を行った後に医療機関へ搬送していた。しかし出動先で,迅速な気管挿管や救急処置を要する場合,麻薬や筋弛緩薬の投与ができればより効率的な救急診療が可能であるとのフライトドクターの要望により,救急担当薬剤師という立場でこれらの薬剤の管理方法や運用方法を考えた。薬剤の特性に基づいて携帯ケースを用意したり,持ち出し管理表を作成するなど,救急医療の現場において救急に特化した薬剤師が関与することで,救急医療の質の向上につながったと考える。