2019 年 22 巻 3 号 p. 532-535
背景:近年,CT撮像機会の増加などにより臨床現場において脊柱管内気腫を目にする機会が増えていると推察される。症例:49歳,男性。約2mの側溝に落ち救急搬送された。 胸部CTにて左背側中心の皮下気腫,多発肋骨骨折および第5/6胸椎レベルの脊柱管内気腫を認めていたが,胸部外傷に随伴する気腫であり硬膜外気腫と考え経過観察した。その後,気腫による神経症状の出現はなく第9病日に脊柱管内気腫は消失した。結語:硬膜外気腫については文献的にも「神経症状の出現はまれ」とする報告が多いが,なかには症状を認める場合もあることを念頭に置き,経過観察する必要がある。