2019 年 22 巻 6 号 p. 801-805
救急医療での薬剤師,とりわけ救急認定薬剤師の役割は大きくなってきており,中毒領域においても積極的な介入が求められる。今回,当院において経験した中毒関連多数傷病者対応について多職種での振り返りを行い,それを基に新たな救急認定薬剤師の役割として中毒患者ホットラインと救急外来への派遣体制を構築した。その後,重篤なメトヘモグロビン血症をきたした急性薬物中毒事例に対して同体制が機能し救命に至った症例を経験した。また,救急病棟へ入院した中毒患者に対して行ったカルテへの中毒原因物質情報の記載も有用であった。一般薬剤業務もさることながら,部署内での協力を得て,救急医療における多職種連携の一翼を担うことで院内での救急認定薬剤師としての新たな役割を確立した。今後も中毒領域に限らず救急医療に対するかかわりを強化していくととともに,後進の育成や病院間での連携などを担っていく必要がある。