2020 年 23 巻 2 号 p. 99-104
目的:院内非医療従事者に対し,「緊急コールシステムの説明」「胸骨圧迫」「自動体外式除細動器(automated external defibrillator,以下AED)の使用法」に特化した簡易型心肺蘇生講習会(以下,講習会)を継続開催し,得られる意識の変化を検証した。方法:院内非医療従事者に講習会を開催し,受講前後でアンケートを実施した。「反応確認」「胸骨圧迫」「AEDの使用」に関する自覚的認識(自信)の変化を,受講回数別および受講前後で比較した。結果:受講前の自覚的認識(自信)は,全項目で回数を重ねるごとに増加した。反応確認および胸骨圧迫ができると答えた者は,4回目までは受講前後で増加した。AEDを使用できると答えた者は,3回目までは受講前後で増加し,4回目以降は,受講前でも自覚的認識(自信)は大幅に低下しなかった。結論:院内非医療従事者に講習会を継続開催することは,講習会単回ごとの教育効果にとどまらず,反復受講による累積効果が認められた。