日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
救急外来診療における尿管結石疝痛発作に対する指圧による治療経験
武田 宗和矢口 有乃久保田 英並木 みずほ市丸 秀章齊藤 眞樹子永井 玲恩
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2021 年 24 巻 3 号 p. 425-428

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抄録

背景:尿管結石疝痛発作に対して,指圧により鎮痛を行っている泌尿器科医も存在する。目的:救急外来部門における尿管結石疝痛発作に対する指圧の治療成果を報告する。方法:2018年1月から15カ月間で当院救急外来において尿管結石疝痛発作に対し,志室を指圧された15例について,施術前後のNRSを指標にその有効性と限界を検討した。結果:10例(67%)で施術5分以内にNRS≦3となり,全例歩行可能となった。10例のうち4例は10〜40分後までに疼痛が再燃したため,鎮痛薬を必要としたが,施術に伴う有害事象はみられなかった。考察:合併症もなく,一時的にでも速やかに疼痛軽減が期待できるという観点からは,尿管結石疝痛発作に対する指圧は,『痛み』を緩和するという意味で姑息的治療としての有益性は高いといえる。

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