日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
伴侶動物のバロンコダマヘビによる咬傷に保存的加療を行った1例
大野 裕文舩越 拓杉浦 沙羅堺 淳志村 治彦
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2022 年 25 巻 4 号 p. 735-739

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抄録

昨今,外来種のヘビを伴侶動物として飼育する例が増えており,これらによる咬傷の増加が懸念される。症例は23歳,女性。自室で飼育しているバロンコダマヘビに右小指を5分咬まれたため,当院救急外来を受診した。来院時,右上腕中部まで腫脹が広がり,とくに小指は疼痛と感覚鈍麻を認めた。腫脹が拡大していたため,安静と経過観察目的に入院とした。 2日目には右小指に水疱形成を認め,右上肢の腫脹も増悪傾向にあったが,3日目には症状の進行はおさまり,4日目には退院とした。バロンコダマヘビは弱毒の後牙類に属する。本症が著明な局所症状をきたしたのは,伴侶動物であったが故に長時間咬まれ口腔内の奥にある毒牙が皮膚に刺さり,より多く毒素が注入されたためと考えられた。弱毒ヘビによる咬傷は伴侶動物であるが故の要素から症状が強くなる危険性がある。飼育数などからも今後増加する可能性があり救急医としてマネジメントに精通する必要がある。

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