目的:水タバコに関連した急性一酸化炭素(CO)中毒が疑われる救急要請の発生状況を明らかにする。方法:2018年1月〜2023年6月までに東京消防庁第三消防方面管内で水タバコ吸引後の者および水タバコカフェ勤務中の者に対する救急要請を対象とした。活動記録より発症時の症状,推定吸引時間などを,さらに三次救急医療機関へ搬送された者のカルボキシヘモグロビン(COHb)濃度を集計した。結果:64例が該当した。多くが20歳台であり,症状は意識消失や嘔吐が多く,推定吸引時間30分以下で発症することがあった。軽症者が多数であるが重症以上も2例あった。三次救急医療機関へ搬送された3例の平均COHb濃度は18.5%であった。結論:水タバコ関連の急性CO中毒が疑われる救急要請は月に1例程度発生していた。救急医療関係者はCO中毒見逃しの危険性を認識し,水タバコ関連の救急要請では急性CO中毒を疑った対応を行うべきである。