日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
小児病院前救護にかかわる教育体制の現状:全国消防本部アンケート調査
余湖 直紀問田 千晶賀来 典之守谷 俊
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2025 年 28 巻 3 号 p. 516-523

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抄録

目的:小児病院前救護に関する教育の実態を明らかにし,救急救命士に対する教育体制を検討する。方法:2024年8月に全国消防本部を対象に小児病院前救護の各処置に関する教育の充足度と必要性についてアンケートを実施し,解析した。結果:回答率は77.9%(561/720)であった。救護処置の全項目ともに,教育の充足度が50%以上と回答した施設数は,半数に満たなかった。充足度が低い項目は,気管挿管(3.7%),静脈路確保(9.3%),声門上気道デバイスの挿入(11.2%)であった。これらは,“教育の必要性なし”の回答が多い項目とも一致していた。ほかの項目は,多様な教育方法が望まれており,講義とシミュレーションは400以上の施設が必要と回答していた。考察:小児病院前救護に関する教育の必要性は認識されている一方,不十分な体制整備が明らかとなった。実地で経験を積むことが難しく,小児病院前救護トレーニングコースを活用した教育体制の整備が質の向上に不可欠である。

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