日本臨床救急医学会雑誌
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原著
院外心停止における救急救命士による病院前活動中のバッグバルブマスク換気下終末呼気二酸化炭素濃度の持続的自己心拍再開に対する予測的意義
一ノ瀬 佳彦中尾 彰太松岡 哲也
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2025 年 28 巻 6 号 p. 851-858

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抄録

目的:院外心停止に対するバッグバルブマスク(BVM)換気中における呼気終末二酸化炭素(EtCO2)値が自己心拍再開(ROSC)の予測に対し有用性があるかを明らかにすること。方法:大阪府岸和田市内で発生した院外心停止患者を対象に,BVM換気中のEtCO2値がROSCの予測因子となるか,また,EtCO2を含めた予測モデルと含めない予測モデルの受信者動作特性(ROC)曲線下面積(AUC)の比較,尤度比検定とcalibration plotの視覚的評価を行い,予測モデルへのEtCO2の付加価値があるかを検討した。結果:ロジスティック回帰分析の結果,EtCO2値はROSCに関連していた(OR 1.55;95%CI:1.05-2.28;p=0.0276)。2つのモデルのAUCに差はなかった(OR 0.75;95%CI:0.69-0.81 vs OR 0.77;95%CI:0.71-0.83:p=0.0955)が,尤度比検定の結果,EtCO2値を含めた予測モデルのほうが有意に安定し(p=0.02),calibration plotも視覚的に安定していた。結語:BVM換気中のEtCO2は,ROSCを予測する因子であり,EtCO2の追加により臨床判断の安定性が高まる可能性が示された。

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