下関市では高齢化の進行に伴い,高齢者の救急搬送人員が増加傾向にあり,その対策は喫緊の課題となっている。そこで本研究では,一定数の救急搬送が行われている市内の高齢者福祉施設を対象に,advance care planning(ACP),do not attempt resuscitation(DNAR),看取りへの取り組みとCOVID-19流行期における対応についてアンケート調査を実施した。市内195施設に対して48施設(回答率24.6%)から回答を得た。アンケート結果から,施設において看取りおよびACPに関する取り組みが一定程度確認された一方で,看取り体制やDNAR対応,入所者・家族との対話に対する多様な実態が浮き彫りとなり,制度的・実務的な課題が依然として存在することが明らかとなった。今後,制度整備とともに,現場に即した継続的支援とACPの社会的認知の促進が求められる。