日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
原著
走行中の救急車内におけるCO2トレーサを用いた車内空気流動評価
―走行中と停車中の車両内空気流動の比較検討―
佐々木 広一久保田 勝明二宮 伸治安田 康晴
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2026 年 29 巻 4 号 p. 698-706

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抄録

背景:救急車内換気は感染対策上重要であるが,窓開放には運用上の制約があり,窓閉鎖下では空調による換気確保が必要となる。目的:走行中の救急車内空気流動を定量化し,停車中条件との差を比較すること。方法:車内8地点にCO2計を設置し,CO2を30秒間噴射した。時速60kmで走行し,空調5条件(OFF,MID 水平・直下,MAX 水平・直下)で最大濃度(Δppm)と残留時間を各3回測定し平均した。結果:走行中でも最大濃度および残留時間は空調条件・測定地点により変化し,残留時間は40条件中34条件で停車中が走行中より長かった。結語:停車中条件は空気流動評価として保守的になり得る一方,走行中では圧較差や車体周囲の気流等により車内各部の挙動が変化する可能性がある。救急車内の空気流動評価では,安全性,条件統制,再現性を確保しやすい停車中実験を基盤とし,走行中実測で補完することが有用である。

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