背景:院外心停止における口頭指導は,バイスタンダー心肺蘇生の実施に寄与する重要な手段であるが,指導が行われなかった例や,指導があっても心肺蘇生が実現しない例が存在する。目的:本研究は,そうした事例の背景要因を明らかにし,情報聴取や指導内容の課題を検討することを目的とした。方法:2023年4~12月に単施設へ搬送された院外心停止事案を対象に,救急隊員への質問紙調査を実施した。バイスタンダーによる心肺蘇生未実施事案の中からバイスタンダー心肺蘇生の実現余地あり群を抽出し,理由を分析した。結果:247件中,未実施は136件(55.1%),うち58件(42.6%)に実現余地があり,「心停止認知なし」「心理的要因」が主な理由であった。結語:未実施事案の約4割に実現の可能性があり,認知促進と心理的支援を重視した口頭指導が有効と考えられる。