2026 年 29 巻 4 号 p. 768-776
目的:時間優先型の外傷全身CTプロトコルを従来法と比較し,CT室滞在時間,造影効果,撮影線量を評価した。方法:2023年4月1日~2024年10月31日に外傷全身CTを施行した64例(従来群23例,時間優先群41例)を後ろ向きに解析した。評価項目はCT室滞在時間,動脈相大動脈CT値,総線量長積(DLP)とした。結果:CT室滞在時間は中央値10分4秒から7分32秒に有意に短縮した。大動脈CT値に有意差はなく,総DLP中央値は3,144から3,665mGy・cmに有意に増加した。結論:時間優先プロトコルは外傷診療における診断の迅速化に寄与する撮影法であるが,撮影線量の増加が懸念されるため患者状態に応じたプロトコル運用が必要である。