日本臨床救急医学会雑誌
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臨床経験
ペースメーカー装着患者における心肺蘇生法の問題点
西本 泰久福本 仁志金原 稔幸大石 泰男筈井 寛川崎 隆士森田 大富士原 彰
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2000 年 3 巻 2 号 p. 244-250

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抄録

症例:77歳女性,VVI型Pacemakcr(PM)植え込み後。胸が苦しいと訴え意識消失,救急救命士到着時心室細動(VF)のため除細動を行うも不成功。頻度:1996年1月〜1998年6月のCPAOA257例中6例がPM患者。除細動の問題点:Ⅰ.VFの判読上の問題点,①医療従事者がPMのスパイクを自己脈と誤認。②半自動の除細動機がVFを確認できない。Ⅱ.PM側の問題点,①PM会社が除細動に否定的。②PM手帳がなければ機種や設定が不明。③プログラマー(PRG)の常備がないため,緊急時にプログラム変更不可能。まとめ:救急現場ではPMに対して認識不十分。PMやPRGに緊急時の対応に関して考慮が必要。提案:①心臓ペーシング学会や循環器学会からの提言を日本救急医学会や救急隊に対して出す。②救急救命士教育にPMと除細動に関する項目を充実。③PM業界による除細動に関するガイドライン作成を求める。④PRGに関して改善を求める。

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© 2000 日本臨床救急医学会
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