日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
症例報告
鈍的胸部外傷による気管・気管支損傷の4例
八田 健栗栖 茂小山 隆司梅木 雅彦木花 鋭一西尾 渉
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 3 巻 2 号 p. 271-275

詳細
抄録

1990年より1997年までの間に入院を要した鈍的胸部外傷255例の内,4例が気管・気管支損傷であった。症例1:2歳7か月の女児,症例2:62歳男性,症例3:41歳女性,症例4:52歳男性であった。症例1-3は農業車による事故であった。症例1と2は右上葉気管支損傷と高度肺損傷を合併していたため気管支形成を断念し,右上葉切除を行った。症例3は左主気管支完全断裂のうえ,膜様部が気管分岐部まで裂けていた。術野を得るため大動脈弓下で気管テービングを行い,それを牽引することで容易に膜様部の縫合と主気管支を端々吻合できた。症例4はトラックの荷台に首を挟まれ,意識消失,四肢完全麻痺,窒息様呼吸で来院した。ただちに気道確保のため気管切開を行った。意識や麻痺が回復した2か月後に第3‐6気管軟骨輪を切除し端々吻合した。鈍的胸部外傷の4例を経験し,胸部手術により全例を救命した。

著者関連情報
© 2000 日本臨床救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top