2000 年 3 巻 5 号 p. 465-471
一般市民を対象とした心肺蘇生法に関して36項目からなる実習指導用チェックリストを作成し,その有用性について医学部学生を対象として調べた。5~6名を1グループとし,11グルー プを対象にこのチェックリスト各項目に基づいて約90分の講義と実技講習を行った。チェックリストに基づいた実技テストでは,講習終了時には全員が全チェック項目で満足できる結果が得られたものの,10日後のテストにおいて気道確保と胸骨圧迫時の正しい手掌の位置の確認など,CPRにおいて重要な技能の維持の困難な項目が明らかとなり,講習会での手技習得上の要点が明確にされた。チェックリストに基づいた心肺蘇生法指導は,①受講者にとっては習得すべき重要なポイントが明確にされる,②指導者にとっては受講者の習得困難な手技を客観的に評価することを可能とする,③実技指導を効率的に,かつ異なった担当指導者による格差を回避できるなどのメリットがある。