日本臨床救急医学会雑誌
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原著
救急医療センター搬入例の臨床薬学的検討
―通常量の薬物服用が原因となった16例の経験から―
峯村 純子村山 純一郎山之内 晋山本 武史安部 博昭三宅 康史弘重 壽一秋田 泰杉本 勝彦有賀 徹
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キーワード: 三次救急, 副作用, 血中濃度
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2000 年 3 巻 5 号 p. 472-476

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抄録

意識障害やショックなどの重篤な症状で救急医療センターに搬送される患者のなかには,その原因が葉剤による場合がある。過去2年間に当院二次救急施設に受診した患者を対象に,薬剤の関与を調査した。全症例の8.8%が薬剤に起因し,そのうちの87.4%が自殺企図や誤飲による薬物過量服用患者だった。その他12.6%の内訳は通常量の薬物服用によりアナフィラキシーショック,低血糖発作,意識障害,心肺停止を主訴として来院した。アナフィラキシーショック症例の多くは,過去にアレルギー歴がなく,予期せぬ発症に注意が必要であった。病態の変化が起こりやすい高齢者や基礎疾患のある症例が多く,血中薬物濃度が上昇し,薬の作用が増強されることが病態に関与したと考えられた。また,心肺停止患者1名は禁忌薬を服用していた。以上より,個々の患者薬剤処方および服薬指導にあたっては重大な副作用の初期症状などについての情報を提供することの重要さが示された。

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© 2000 日本臨床救急医学会
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