日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
ドイツにおける救急医療体制とプレホスピタルケアの現状
内田 敬二森村 尚登安瀬 正紀杉山 貢
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2000 年 3 巻 5 号 p. 515-522

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抄録

ドイツではプレホスピタルケアは医療であるという認識のもと,医師が積極的に現場に出動し(全一次救急の57%),公的救急組織から派遣される救急車(移動集中治療室)・救急助手と協力して高度な初期診断・治療にあたる。医師の現場出動,病院選定,搬送までのすべてが救急指令センターの指示のもとに円滑に行われる。救急に要する費用はすべて医療費として健康保険で支払われる。救急医は各地域中核病院に勤務する麻酔科,外科,内科などの医師であり,勤務表により交代で救急業務にあたる。救急ヘリコプターも以上の原則と同様に運営され,より早く医師を現場に派遣できる手段として頻繁に利用される。ドイツの高度な救急医療を可能としている要因を,法的な救急の枠組み,救急を担う医師,公的救急組織,救急助手,救急車の種類,救急指令センター,さらに健康保険制度に分けて概説する。

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© 2000 日本臨床救急医学会
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