日本臨床救急医学会雑誌
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症例報告
門脈ガス血症と腸管壁内気腫を認めた上腸間膜動脈閉塞症の1例
林 峰栄石田 康彦宗友 良憲石賀 信史中村 純大山 直雄大谷 昌裕西本 東人金澤 成雄
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2001 年 4 巻 1 号 p. 47-50

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抄録

典型的な門脈ガス血症と腸管壁内気腫を認めた上腸間膜動脈閉塞症の1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する。症例は糖尿病,高血圧,脳梗塞の既往のある82歳の男性。イレウスの診断で近医に入院していたが,CTで胆道内ガス像を疑われ,当院紹介となった。来院時ショック状態で腹部は膨隆し,全体に圧痛,反跳痛,筋性防御を認めた。血液検査では,LDH,CPK,AMYの上昇と著明なアシドーシスを認めた。腹部CTにて,肝辺縁に及ぶ樹枝状のガス像を認め門脈ガス血症と診断。腸管壁内気腫も存在していた。緊急開腹術を施行したが,広い範囲の腸管が壊死に陥っており,大量腸管切除を行った。門脈ガス血症や腸管壁内気腫は重篤な腸管壊死の存在を示唆していることが多く,時期を逸せず開腹しなければならない。

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© 2001 日本臨床救急医学会
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