2002 年 5 巻 1 号 p. 33-36
救急救命士が誕生してから特定行為としての気道確保は心肺停止症例に対して,さまざまな器具を用いて実施されている。laryngeal maskもこのうちの一つであるが,挿管が引き続き行えるintubating laryngeal maskを使用して気道確保を行う救急隊はまだ少ない。今回,当院の地域消防の一つである尾三消防本部にintubating laryngeal mask(英国ラリンゲアルマスク社製)が導入され,心肺機能停止症例に積極的に使用されている。そこで以下の6項目,①挿入時間,②頸椎保護への有効性,③搬送時の固定性,④搬送時の換気状態,⑤処置時間,⑥気管挿管への交換状態について検討を行い,心肺機能停止症例での気道確保として非常に有効であるとの結果を得たため報告する。