第三次覚醒剤乱用期といわれる昨今,東京郊外にある当院に入院した覚醒剤使用者の現状を調査した。1998年1月から2000年12月までの3年間に当院を受診した覚醒剤中毒・覚醒剤精神病患者は60件55名(男:女=50:5)であり,全例に過去の覚醒剤使用歴を認めた。精神科受診件数は53件48名で,全例強制入院(医療保護入院:23件,措置入院:30件,3年間に複数回入院したが4例)であった。一方,救命救急センター受診は7件7例で,意識障害3名,呼吸苦2名,消化管穿孔1名,妄想1名であった。当院を受信した55名のその他の所見として,刺青13名,小指欠損8名,手首切創6名,HCV陽性者13名で,明らかな注射痕を認めたものは21名であった。しかし,55名中1名のみが覚醒剤取締法違反であった。覚醒剤汚染の実態が守秘義務などの法的な規制により省庁の違反件数と乖離している可能性があり,届出義務など法的整備が望まれる。