2002 年 5 巻 1 号 p. 43-47
目的:心肺機能蘇生後,当救命救急センターに入院した心原性院外心肺機能停止症例(以下,心原性OHCPA症例)のプレホスピタルケアの因子について検討する。対象:ドクターカー導入後の平成10年7月から平成11年12月までに搬送され,蘇生後に入院した心原性OHCPA症例22例を生存退院群(6例)と死亡群(16例)に分けてretrospectiveに検討した。結果:bystander CPRは両群ともに低率であった。生存群では死亡群に対しVf/VT症例数,プレホスピタルでの電気的除細動施行率,ドクターカー搬送数が多く有意差を認めた。結語:bystander CPRのさらなる啓発により,電気的除細動の適応症例が増加し,救急救命士やドクターカーによるプレホスピタルでの積極的な電気的除細動が増加することで心原性OHCPA症例の予後改善が期待できると考えられた。