2003 年 6 巻 3 号 p. 320-323
市立病院を母体とする救命救急センターにおける,救急患者受け入れの実態を明らかにすることを目的とした。対象および方法:最近3年間に救急部が対応した救急患者3,749人を市内と市外に分け,その重症度を来院経路別に検討した。また軽症患者の疾患内容についても検討した。結果:市内患者の割合は救急隊直送80.9%,病院紹介58.3%,医院紹介78.8%で全体として74.3%であり,救急対応は市内中心であった。三次患者の割合は市内vs市外で,救急隊直送(464% vs 42.6%),病院紹介(30.6% vs 47.3%),医院紹介(17.8% vs 17.9%)と全体的に三次疾患の割合が低く,とくに病院紹介で市内と市外に差を認めた。疾患内容は脳神経外科,整形外科,眼科,耳鼻咽喉科など専門性の高いものが多く,重症疾患だけでなく地域の最終受け入れ機関として広範囲な対応を求められていることが明らかとなった。