救急・集中治療の職場環境が看護師(以下,Ns)に及ぼす影響について,1年間の感情の変化を調査し,免疫系の反応として好中球,リンパ球分析を指標として検討した。新入Ns,教育Nsともに継続した精神的疲労状態にあり,その程度は新人Nsにおいて顕著であった。新人Nsの精神的疲労状態は配属3か月後に緩和の傾向がみられたが,その後,再び増強していた。また,新人Nsは経験年数の短い者の方が配属時にストレス状態が強かった。好中球,リンパ球とストレス状態との関連をみると,配属1年後においてストレス状態が強い者で新人Nsでは好中球割合が高く,教育Nsではリンパ球割合が低い傾向を示した。しかし,ほかの時期では関連は認められず,心身のストレス状態が免疫機能に直接反映していたかどうかは不明であった。以上から,救急・集中治療病棟に勤務するNsの精神的ストレスは1年間のなかでも時期により違いがあること,精神的ストレスの程度や時期は,Nsの立場や経験年数により異なることが明らかになり,これらを考慮したメンタルヘルスが重要であるといえよう。