2003 年 6 巻 4 号 p. 398-401
症例は46歳,男性。深夜に泥酔者として保護所に収容された。翌朝になり,保護所内で意識レベル低下(JCS Ⅲ-300)を認め,当院救命救急センターに搬送された。来院時pH 7.146,血糖2,022mg/dl,血清浸透圧433mOsm/l,HCO3− 11.2mmol/l,エタノール血中濃度10.0mg/dl以下であり,mixed typeの糖尿病性昏睡と診断した。ICU入室後より輸液・電解質管理およびインスリン持続投与による血糖管理を施行した。第3病日には意識レベル清明となり,各種合併症もなく経過した。第7病日に糖尿病精査・インスリンコントロール目的で近医へ転院した。この症例では飲酒の有無を確認しないまま,高血糖に伴う“ケトン臭”をもって患者を泥酔者と誤認してしまい,その先入観が病態のさらなる増悪を来したものと思われた。