2003 年 6 巻 5 号 p. 479-482
電撃傷により心肺停止に至った傷病者に対し,救急隊到着までの13分間バイスタンダーによる心肺蘇生法が実施されていたが,それは心臓マッサージのみの心肺蘇生法であった。長時間にわたる不完全な心肺蘇生法であったため,予後不良が危惧されたが神経学的後遺症をまったく残さず社会復帰を果たした。10分を超える心臓マッサージのみの心肺蘇生法によって,完全社会復帰がもたらされたという事実は心臓マッサージのみの心肺蘇生法が有効であったことを示唆していた。そして,AHA(American Heart Association)心肺蘇生と救急心血管治療のための国際ガイドライン2000が示した「人工呼吸ができない場合には,心臓マッサージだけでも行うことが推奨される」ことの妥当性を示す1症例であり,今後のバイスタンダー教育においても上記の点を指導してもよいと考えられた。