2004 年 7 巻 1 号 p. 31-35
救急救命士による特定行為のうち,静脈路確保は器具を用いた気道確保,除細動に比して心拍再開率および予後向上への寄与が少ないとみなされ,施行率は必ずしも高くはなく,十分に検討された報告は少ない。今回われわれは中和広域消防本部の協力下に,プレホスピタルでの救急救命士による静脈路確保を検討した。対象は80例で,このうち45例に滴下良好な静脈路が確保されていた。穿刺部位は前腕,手背がもっとも多く,穿刺回数は2回までがほとんどであった。術者である救急救命士が駆血帯を巻き,穿刺可能な静脈があると判断した場合には高率に確保されていた。今回の検討から,救急救命士は院外心肺停止例の静脈路確保に関し,ある一定の技術を有していると考えられた。救急救命士の救命活動は現在,処置拡大の方向にある。プレホスピタルにおける静脈路確保に関して,救急救命士は十分対応可能と考えられた。