日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
症例報告
生活苦からの飢餓により発症した Wernicke脳症の1例
木内 俊一郎新谷 裕箱田 滋中島 道隆
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 7 巻 5 号 p. 373-377

詳細
抄録

症例は50歳女性。生活苦から2カ月間飢餓が続いていた。動けなくなっているところを発見されA病院へ搬送された。意識混濁,構音障害,運動失調を認めており,点滴治療を行ったが精神症状が出現したためB精神科病院に転院し,さらにC病院へ転院後,本院救急部へ転院した。MRI検査(T2強調画像,FLAIR画像)にて視床,乳頭体,第3脳室周囲に異常高信号域を認めた。C病院入院時の血中ビタミンB1濃度が7 ng/mlであったことが本院入院後判明したため,Wernicke脳症と診断した。ビタミンB1(200 mg/日)の投与を続けたところ第35病日には上肢の運動,嚥下運動が可能となった。Wernicke脳症は運動失調などの後遺症が60~90%にみられるが,治療が早ければ病変は可逆的である。早期発見,早期治療が必須である。

著者関連情報
© 2004 日本臨床救急医学会
前の記事
feedback
Top