日本臨床救急医学会雑誌
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症例報告
意識消失で来院したBrugada症候群の1例
永野 達也伊関 憲栗原 正人土田 浩之橘 英忠久保田 功川前 金幸
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2005 年 8 巻 1 号 p. 9-12

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抄録

突然の意識消失発作によって発症したBrugada症候群(特発性心室細動)を経験した。症例は57歳の男性で仕事中に動悸と呼吸困難が出現し,その後意識を消失した。約10分後に発見され,発見時は呼びかけに応じて開眼する意識レベルであった。来院時,心電図上で不完全右脚ブロック,V1,V2でSaddle back typeのST上昇を認めBrugada症候群が疑われたため,精査加療目的に同日入院となった。入院中,電気生理学的検査を施行したところ多形性心室頻拍と心室細動が誘発され,植え込み型除細動器挿入予定となった。今回の症例を通してわれわれは,救急外来に意識消失の患者が運ばれてきたとき,本症例のような致死性不整脈も念頭に置いて診断を進めていくべきであると考えた。

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© 2005 日本臨床救急医学会
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