2005 年 8 巻 3 号 p. 203-206
救急車で当科に搬送された飲酒患者198例について来院時血中エタノール濃度を測定し,そのうち頭部外傷を伴った115例について検討した。頭部外傷を伴った症例の血中エタノール濃度は非頭部外傷症例と比べ有意に高かった。頭部CTを施行した98例中24例に頭蓋内損傷を認め,その受傷部位は側頭部,後頭部に多かった。頭蓋内損傷の有無と血中エタノール濃度には関連は認めなかった。二輪車事故の症例では頭蓋内損傷を伴いやすく,血中エタノール濃度は他の受傷機転の症例と比べ有意に低値であった。70歳以上の高齢者11例の血中エタノール濃度はその他の症例と比べ有意差はなく,受傷機転のほとんどが転倒で,頭蓋内損傷を認めた3例の意識障害は軽度であった。受傷機転が二輪車の事故,受傷部位が側頭部・後頭部,70歳以上の高齢者では,意識レベルに関係なく頭部CT検査を行うのが望ましいと思われた。