日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
にちなんおろち100kmマラソンにおける救護体制について
平岡 裕渡辺 勝也武本 和之
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2005 年 8 巻 4 号 p. 317-321

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抄録

平成16年6月20日に行われた“にちなんおろち100kmマラソン”において,日南病院職員を中心とする救護部を編成し参加選手の救護にあたった。マラソンコース内に4カ所の常設救護所を設置,さらにコースを8区間に分割,巡回救護車を各1台ずつ配備した。参加選手は592名,完走選手は441名で,うち救護を必要とした選手は101名であった。内訳は,熱中症14名,筋肉痛,肉離れなど50名,靴擦れなど10名,足底豆8名などであった。ほとんどは軽症で,コース上での簡単な処置を行った後レースに復帰することが可能であった。熱中症14名中9名は救急車で当病院に搬送し,輸液などの治療を行った。夏場のロードレースには,熱中症に対する救護体制と,冷却,点滴などの迅速な処置が必要であった。また,致死性不整脈に対する除細動器の配備などに留意し,安全に大会を運営することが重要である。

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© 2005 日本臨床救急医学会
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