日本臨床救急医学会雑誌
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症例報告
マムシ咬傷とその初療について
一重症例2例の経験を通して一
金子 直之千田 礼子岡田 芳明
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2005 年 8 巻 5 号 p. 378-384

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抄録

近年,本邦でマムシ咬傷の重症例は比較的まれであるが,われわれはタイプの異なる重症例を2例経験し,若干の知見を得たので報告する。症例1は78歳,女性。右足関節部に受咬。来院時,右下腿腫脹のほかは血液学的検査を含め特記すべき所見なし。抗毒素血清とセファランチンを投与。しかしその後腎不全を発症し,5病日以降,減張切開・持続血液透析を含む集中治療を行ったが21病日に死亡した。症例2は32歳,男性。右示指に受咬。来院時に血小板数は2.1万/μlで出血傾向を認めた。セファランチンのみ投与。早期大量輸液と強制利尿を行い,翌日腫脹が進行したため減張切開施行,以後速やかに症状は軽快した。治療においては来院時所見とともに,その後の腫脹の変化,筋原性酵素の推移などから重症化を予測し,先手を打って治療することが重要である。早期大量輸液と強制利尿は推奨すべき治療であり, また腫脹が進行する場合は迷わず減張切開を行うべきである。

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© 2005 日本臨床救急医学会
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