日本臨床救急医学会雑誌
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臨床経験
小児科もパスを作ろう:小児救急医療におけるクリニカルパス
第二報:小児喘息治療における標準化とバリアンス分析
久保 実
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2006 年 9 巻 4 号 p. 353-358

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抄録

小児救急医療におけるクリニカルパスの例として小児喘息のパスをあげ治療の標準化とバリアンス分析を行った。小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2002に沿ってパスを作成した。その骨子は補液,アミノフィリン持続点滴,ステロイド静注および吸入療法であるが,カルテレビューによって投与法, 日数などを標準化した。バリアンス分析では多くの「変動」「逸脱」が見られた。その主なものは医師の理解不足や安静度の早期緩和,患者要因による退院日の短縮または延長であった。パス使用に関して若手医師の指導や安静度の見直しを必要としたがパスの大幅改訂を要せず,小児喘息パスは概ねパスどおり良好に使用された。

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© 2006 日本臨床救急医学会
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