論文ID: 090105
【目的】 がん終末期患者とその家族の看取り支援について,訪問看護師の看護実践内容を具体的に明示化することを目的とした.
【方法】 看取り経験を有する訪問看護師5名を対象とし,がん終末期患者とその家族に関わった場面について半構造的な面接を行い,得られたデータを質的に分析した.
【結果】 余命よりも延命したがん患者を看取った訪問看護師の看護内容は,4カテゴリにまとめられた.①身体をきれいにするケアを大切にする ②聴く態度に徹することで,患者や家族のこころの安定を図る ③家では自由に過ごしてもらい,リスクを予測しながら見守る ④家族の置かれている状況を捉え,早めに対応する であった.
【結論】 訪問看護師は,個々の患者・家族の思いを尊重する姿勢を貫き,基本の清潔ケアをとおして生きる力を支援していたと考えられる.