2023 年 36 巻 1 号 p. 97-102
近年の外科手術では, 鏡視下手術が主流となりつつある. 特に泌尿器科領域では, 他の診療科に先行してロボット手術が普及した経緯もあり, その傾向が顕著である. 鏡視下手術の全ての術式において, 第一に行う操作がポート留置である. ポート配置を誤ると, その後の手術操作全体に大きな支障を来す場合もあり, その設定には細心の配慮を要する. 当院でのRALCのポート配置は, ロボットポート4本に, 第一助手用ポート2本, 第二助手用ポート1本を加えた7ポートを採用しているが, その設定にはこれまでの経験に基づいて修正を加えた留意点がある. また, 腎尿管膀胱全摘除術が保険上, 全てロボットで遂行できるようになったため, そのポート配置にも独自の工夫を施している. 本稿において, これらの事項について報告する.