2021 年 2021 巻 3 号 p. 1-8
メディア・リテラシー教育の批判的分析の主要素に,レプレゼンテーションとオーディエンスがある.本研究では,学生が自分の所属する大学を聖地としているアニメ・マンガ「ギヴン」において,そのレプレゼンテーションとしてのBLとLGBTQがオーディエンスとしてのファンとオタクの聖地巡礼に与える影響を明らかにした.大学生310名の回答を共分散構造分析した結果,レプレゼンテーションはオーディエンスに影響を与えること,レプレゼンテーションはBLよりもLGBTQに強く表れることが明らかになった.しかし,ギヴンへの接触者25名のレプレゼンテーションはLGBTQよりBLに強く表れた.ギヴンへの接触者が少ないことと,コロナ禍で実際には聖地巡礼が不可能なこと,ジェンダーの問題と関連したBLのオーディエンスの問題があった.