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和田 正人
2021 年2021 巻3 号 p.
1-8
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
メディア・リテラシー教育の批判的分析の主要素に,レプレゼンテーションとオーディエンスがある.本研究では,学生が自分の所属する大学を聖地としているアニメ・マンガ「ギヴン」において,そのレプレゼンテーションとしてのBLとLGBTQがオーディエンスとしてのファンとオタクの聖地巡礼に与える影響を明らかにした.大学生310名の回答を共分散構造分析した結果,レプレゼンテーションはオーディエンスに影響を与えること,レプレゼンテーションはBLよりもLGBTQに強く表れることが明らかになった.しかし,ギヴンへの接触者25名のレプレゼンテーションはLGBTQよりBLに強く表れた.ギヴンへの接触者が少ないことと,コロナ禍で実際には聖地巡礼が不可能なこと,ジェンダーの問題と関連したBLのオーディエンスの問題があった.
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手塚 和佳奈, 佐藤 和紀, 大久保 紀一朗, 久保田 善彦, 堀田 龍也, 谷塚 光典
2021 年2021 巻3 号 p.
9-16
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,メディアや情報に対して大学生がもつステレオタイプやバイアスに関する実態調査を実施した.質問紙は,【メディアへの接触頻度】,【画像情報のステレオタイプ的解釈】,【メディアを介した情報の流通が人々の行動に与える影響】,【バイアスとメディアの関係が人々の行動に与える影響】に関する質問で構成した.大学生51名からの回答を分析した結果,①背景情報を手がかりに画像情報をステレオタイプ的に解釈する人は1割程度,②メディアを介した情報の流通が人々の行動に与える影響に言及できる人は3割程度,③バイアスとメディアの関係が人々の行動に与える影響に言及できる人は1割程度であった.
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田中 健吾
2021 年2021 巻3 号 p.
17-24
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
最近,判断に迷うような巧妙化したフィッシングサイトが多数存在する.その中でも,フィッシングサイトと疑わしきWebショップを対象として,そのサイトが実際にフィッシングサイトか否かを判断するという問題を設定してみる.そのWebショップの正当性の真偽を検討する方法とその有効性について述べると共に,授業での利用方法についての提案を行う.
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胡 啓慧, 野中 陽一
2021 年2021 巻3 号 p.
25-32
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
本論文では中国の小中高情報技術教員の教師資格制度の歴史と現状を分析した.まず,中国の教師資格制度の歴史を整理し,これまで教師資格制度である「双軌制」と「教師資格国家試験」を比較することで,現行の「教師資格国家試験」の重要性が示唆された.さらに,情報技術教員の「教師資格国家試験」の詳細について分析し,小中高情報技術教員に求められている資質・能力を明らかにした.
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蟹谷 慧
2021 年2021 巻3 号 p.
33-39
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の目的は,現在の大学生がどのような未来を思い描いているのかを把握し,加えて,それは所属する学科や重視している価値観等によってどのような偏りが出るのか明らかにすることである.本研究では,金沢工業大学の授業である「人間と自然セミナー」に参加した2年生1486人にアンケートを実施し,KHcoderを使ってテキストマイニングを行った.全体像の把握や特徴的な単語に焦点を当て分析を行い,結果は,2045年の社会に対する理想像は学科等によって異なることを示した.今後の研究では,SDGsの認識などによって傾向が現れるかどうかを明らかにする.
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正司 豪, 尾澤 重知
2021 年2021 巻3 号 p.
40-47
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の目的は,コロナ禍において修士課程に進学予定の大学生を対象に1年間にわたる研究内容の変容の契機を明らかにすることである.本研究では,大学4年生9名に対し半構造化インタビューを行なった.質的な分析の結果,研究内容の変容の契機は,(1)指導教員からの助言 (2)ゼミの先輩からの助言 (3)同じ関心を持つ学外の他者との対話,の3つに類型化することができ,「ゼミの仲間同士の学び」が不十分な事例が見られた.そこで,ゼミにおいて孤立化を防ぐ支援の必要性が示唆された.
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武田 俊之
2021 年2021 巻3 号 p.
48-55
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
「エビデンスに基づく教育」の推進において,明瞭なエビデンス概念や概念の共有は,実践・研究横断的なエビデンスを「つくる」「つたえる」「つかう」プロセスにおいて重要である.この論文でエビデンスに基づく医療について整理した上で,英米におけるエビデンスに基づく教育,特に仲介機関の役割を論じた上で,日本における受容およびその課題について述べる.
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深見 俊崇, 廣瀬 真琴
2021 年2021 巻3 号 p.
56-63
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
初任教師が直面するリアリティショックに対処するため,教員志望学生のレジリエンス形成が求められている.本研究は,オーストラリアで開発されたBRiTEを反映したレジリエンス形成プログラムを開発・実施した上で,受講者のコメント等からその成果を評価した.2コマという限られた時間であっても,自ら問題解決を図ったりアクションを起こしたりするレジリエンスの意識が受講者に形成されており,プログラムの成果が確認できた.
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石川 奈保子, 城 綾実, 牧野 遼作, 宗政 由桐
2021 年2021 巻3 号 p.
64-71
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,コロナ禍における子ども向け科学館の来館者対応に関する半構造化インタビュー調査を実施した.その結果,以下の2点が明らかになった.(1)科学館本来・従来の展示物を触って楽しむ・学ぶという目的を大事にしながら,少しでも安心して体験できるよう幾重にも工夫を施していた.(2)リアルタイム・生配信・動画配信の3形態でのオンライン科学教育コンテンツによる「体験」の提供を試みており,これまで少なかった小学校高学年の利用者,遠隔地の利用者を獲得した.
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川上 祐子, 中村 康則, 松尾 綾子, 江本 厚子
2021 年2021 巻3 号 p.
72-79
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
COVID-19の感染拡大により,老年看護学実習における臨地実習施設の確保が困難な状況となった.病院実習は感染予防対策のために実習時間が短縮され,また,臨地実習の代替措置として,オンライン高齢者施設実習,オンライン事例展開実習を実践する必要に迫られた.そこで本研究では,実践した3パターンそれぞれの実習形態において,それらの実習目標の到達度を評価し,課題を明確化することを目的とした.また,得られた結果に基づき,実習のデザインを改善するための示唆を得た.
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澁川 幸加
2021 年2021 巻3 号 p.
80-87
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
本稿では,高校と大学における遠隔授業や「ハイブリッド化」の制度上の特徴と相違を整理した.具体的には,①遠隔授業の制度上の相違を整理した結果,大学は教室外の自宅等から受講できる同期・非同期双方向型の遠隔授業が,高校は生徒が教室で受講する同期双方向型の遠隔授業が実施できること,②ハイブリッド化の相違を卒業単位・一単位・活動レベルで検討した結果,高校では一単位レベルの方法が限定されることや,活動レベルに対応するハイフレックス型が原則実施できないことなどを示した.
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島田 高行
2021 年2021 巻3 号 p.
88-93
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の目的は,SDGsゲーミフィケーション教材を教育機関に導入する際に生じる障壁を明らかにし,その解決策を考案することで,SDGsゲーミフィケーション教材の普及促進に大きく貢献することである.実際にSDGsゲーミフィケーション教材を全国の教育機関10校に導入し,SDGsゲーミフィケーション教材の導入障壁を明らかにする.そして,障壁の解決策を考案し,有効性を検証する.
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山内 豊
2021 年2021 巻3 号 p.
94-97
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
音声コミュニケーション重視のアクティブラーニング型の同期型オンライン英語科教育授業参加者の満足度を,どのような要因で予測できるかについて,学期終了直後に実施した質問紙調査を基に分析した.その結果,参加者の英語熟達度,ネットワーク環境,ICT技能,グループ活動,WEB型相互評価アンケートという要因で参加者満足度の61.5%が説明され,学習者間のグループ活動が最も強い影響を与えることがわかり,交流距離理論の3要素の中の対話(dialog)が,オンライン英語授業満足度に重要な役割をもつことが明らかになった.
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村上 唯斗, 水谷 年孝, 登本 洋子, 高橋 純
2021 年2021 巻3 号 p.
98-105
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,1人1台端末及びクラウド活用が日常化した中学校3校を対象に,教員と生徒の意識を明らかにした.質問紙調査の結果,(1)授業では,教員も生徒も友達と協働できるようになったことを最も大きな変化に挙げていた,(2)学習場面では,教員も生徒もノートやプリントに手書きする場面が減ったと感じていた,(3)学校生活では,生徒は学校が楽しくなったことを最も大きな変化に挙げていた,(4)端末の持ち帰り頻度は月に1回程度が最も多く,タイミングは生徒の判断に委ねられていた,(5)情報活用能力は,教員は情報モラル指導を意識的に行っており,生徒の情報モラルに関する意識も高かった,(6)端末活用のルールは,教員も生徒も肯定的な評価をしていたことなどが明らかとなった.
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―自律性・有能性・関係性に着目して―
草本 明子, 高橋 純
2021 年2021 巻3 号 p.
106-111
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,自己決定理論から動機づけを捉え,中学校物理の授業において,1人1台の情報端末を学習に活用する前後での自律性の欲求・有能性の欲求・関係性の欲求の変化を明らかにし,情報端末を活用した学習が内発的動機づけに与える影響を検討した.結果,情報端末を活用した学習により,3欲求が向上する傾向が見られた.また,内発的動機づけに有意な変化は認められなかったが,有能性の欲求を充足させる情報端末の活用により,内発的動機づけが向上する可能性が示唆された.
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新里 美香代, 山本 朋弘
2021 年2021 巻3 号 p.
112-117
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
中学校学習指導要領解説(外国語編)において,ICTに関わる記述内容を取り出して,中学校英語授業でのICT活用に関する傾向等を分析した.その結果,1998年以降,ICT活用に関する記述が増えてきており,「聞くこと」中心から,複数の技能でバランス良く言及されていることがわかった.これらの分析等を通して,今後の1人1台端末活用のポイントとして,海外との電子メールのやり取りやオンライン英会話,オンライン授業,学習者用デジタル教科書の活用とタブレット端末の持ち帰り等を提案した.
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八木澤 史子, 安里 基子, 遠藤 みなみ, 佐藤 和紀, 堀田 龍也
2021 年2021 巻3 号 p.
118-123
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
クラウドでの共同編集機能を用いて,若手教師が作成した学習指導案を,ベテラン教師の助言を受けながら修正するという実践を行った.修正は2つの方法で実施した.1つめは,クラウドサービスのアプリを利用した「共同編集機能のみ」,2つめはクラウドサービスのアプリに加えて,テレビ会議システムを利用した「共同編集機能およびオンラインによる対話」であった.結果,2つの方法ではやりとりされたコメントの数に違いがあることが示唆された.
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築田 尚晃, 藤村 裕一
2021 年2021 巻3 号 p.
124-131
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
小学校組織内のソーシャル・キャピタルの差異とその要因を明らかにするため,ソーシャル・キャピタル測定指標を設定し,複数の小学校を対象に調査を行った.その結果,学校間でソーシャル・キャピタルの蓄積量と状況に差異が確認され,教職員間の他者批判等がソーシャル・キャピタルの醸成を阻害する一要因であることや,ソーシャル・キャピタルの構成要素のうち,「ネットワーク」の構築がまず必要であることなどが示唆された.
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宮崎 幸弘, 藤村 裕一
2021 年2021 巻3 号 p.
132-137
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
高等学校工業科において,専門教科の情報に関する科目による必履修情報科目の履修代替に深く関係している教員に対して意識調査を行った.その結果,工業科における情報に関する科目の教育内容は職業教育が偏重しており,コンピュータリテラシ―中心となっていることが多いため,必履修情報科目「情報Ⅰ」の履修と同様の効果が得られず,高等学校における一般教養教育として実践すべき情報教育が行われていないことが示唆された.
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―コロナ前と昨年を比較して―
松本 佳穂子
2021 年2021 巻3 号 p.
138-141
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
中高の英語教員向けのオンライン学習サイトを過去6年間改善しつつ運用してきたが,2020年度はコロナ禍の中でこれまでと違う使用パターンが見られ,要望に応えてオンライン授業に関するコンテンツを加えた.フォーラムやチャットによる質問や交流がより活発になった一方で,教授法・評価法などの理論的学習をするよりも実践的な授業の工夫に関する内容や助言が求められた.コロナ前と昨年度の使用状況を比較しつつ,この学習サイトの現職英語教師教育における効果を再評価し,コロナ後の改善へとつなげたい.
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藤崎 聖也
2021 年2021 巻3 号 p.
142-149
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
2020年度からの学習指導要領下での小学校3・4年生の社会科教科書全3社と,それら教科書に構成が近い副読本2市分でのグラフの扱いについて,内容項目別に比較した.4年生では,同じ内容を扱っても副読本でのグラフが教科書に比べて少なくなる傾向があり,また算数で折れ線グラフを扱う学年であるにもかかわらず教科書,副読本共に時系列の統計での利用が少ない.算数と連携したグラフ表現の変換,グラフ読解を補助するための副読本のデジタル化などの手立てを検討するのが望ましい.
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川村 朋也, 磯部 征尊, 伊藤 大輔, 平林 千恵
2021 年2021 巻3 号 p.
150-157
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,道徳科と学級力を関連付けた年間カリキュラムの作成及び実践を行い,効果を検証した.道徳科の内容項目や教材文と,学級力アンケートの質問内容との関係性に着目し,年間行事予定を踏まえて,年間カリキュラムを作成した.道徳科の毎授業後と年度末のアンケートを実施して,生徒への有効性を確かめた.授業のめあてや展開の方法によって差異はあるものの,一定の効果が示された.
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古性 淑子, 小谷 一孔
2021 年2021 巻3 号 p.
158-165
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
美術教育における鉛筆静物デッサン画の線形回帰評価モデルについて述べる.デッサンは美術教育における基礎的要素であり,描画において必要とされる基礎的能力の修得のため重要視されているものである.初心者の技能向上には描画→評価の繰り返しを重ねる事が望ましい.このため,評価は重要なポイントとなる.本研究では,鉛筆静物デッサン画に含まれるモチーフの形状や色といった評価項目に着目した.これらの主観評価値を近似できる線形回帰評価モデルを構築し,主観評価結果を近似できることを確認した.
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―ジグソー法より簡便で生徒全員に対話の場を提供する授業方略―
島 智彦, 渡辺 雄貴
2021 年2021 巻3 号 p.
166-171
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の目的は,中等教育の数学授業において,生徒に数学的な表現を用いて説明する力を身に付けさせるため,ジグソー法より簡便で生徒全員の対話を保障する協同学習技法DOUBLE-DOUBLEを設計し,その効果を検証することである.中学2年生を対象として,1次関数の授業全14回中の3回,DOUBLE-DOUBLEを取り入れた実践を行った.結果,単元テストにおいては,介入前後いずれも8割程度の得点率であり,記述テストにおいては,介入前調査から介入後調査,遅延調査にかけて得点が上昇した.
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―全国Web調査による性別・年代別のコホート分析―
片瀬 拓弥
2021 年2021 巻3 号 p.
172-179
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,全国Web調査によりデータを収集し,人工知能(AI)に対する信頼感尺度を作成することが目的である.調査データの因子分析を行った結果,2つの下位因子を持つ「対AI信頼感尺度」を作成した.妥当性の検討は,対人信頼感尺度と日本語版Ten Item Personality Inventory(TIPI-J)を用いた.さらに,対AI信頼感尺度を用い,性別・年代別のコホート分析を行った結果,対AI信頼感について,性別・年代別に違いがみられた.ただし,選択バイアスの可能性もあるため再調査が必要である.
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岡本 恭介, 板垣 翔大, 安藤 明伸
2021 年2021 巻3 号 p.
180-185
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
昨年度からコロナ禍によって授業参観を実施できず,その代替措置として授業の録画動画による参観が行われてきた.動画で参観した学生の感想から,従来の動画による参観は視点および画角が固定で画角外を見られず,受け身な印象を与えることがうかがえた.360度全天球動画をHMDで視聴するVR授業参観では,自分で視点を変えられるため,従来よりも主体的な参観ができることが期待される.そこで本研究では,360度全天球動画をHMDで視聴するVR授業参観を実施した.その結果,主体的な視聴と教師や生徒の動きへの気づき等の効果や,身体的負担などの課題が示唆された.
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波多野 和彦, 中村 佐里, 三尾 忠男
2021 年2021 巻3 号 p.
186-189
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
例えば,教職科目「教育方法」のトピックの一つとして「目標行動」を扱っている.知識として,一定の理解は得られていると考えられるが,総括的な課題として「学習指導案」を作成する段階になると,扱う目標を学んだはずの「目標行動」として記述できない場合が数多く見受けられる.学んだ知識を自らの実践に活かすようにさせるための取り組みについて,考察する.
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―栄養教諭免許取得コース学生の学校給食における「地場産物」活用の実践力向上の試み―
森寺 勝之, 岸 誠一
2021 年2021 巻3 号 p.
190-193
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
平成29年告示の小学校指導要領解説総則では,社会に開かれた教育課程の実現に向けて,よりよい学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校教育と社会とが共有することが求められている.また,これは,単に学校教育を社会に開放するということではなく,子どもが活躍する10年後,20年後の社会がどのように変化しようとも力強く生き抜く資質・能力をはぐくむためには,学校が家庭や地域社会とのつながりを強くし,児童の学びが実社会とのかかわりの中で豊かにはぐくまれることが大切であるとしている.こうした中,第4次食育推進基本計画(令和3~7年度)では,食育推進の目標として,学校給食での地場産物を活用した取り組みや産地や生産者への意識等が挙げられている.そこで,本稿では「栄養教諭免許取得コース」の学生に「地場産物」活用の実践力を高める新しい指導法を活用した授業実践を試行し,その指導法の有効性・課題等について考察する.
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森田 佐知子
2021 年2021 巻3 号 p.
194-201
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
新型コロナウィルスの感染拡大以降,日本の教育機関等におけるキャリア支援はICTを活用し継続されている.キャリア支援におけるICT活用とその研究には長い歴史があるが,先行研究においては一貫して,ICTの活用に関する倫理的課題が指摘されている.本報告では,特にその研究が進んでいる国外の文献調査を中心に,キャリア支援におけるICT活用の段階的発展とそれぞれの段階における倫理的課題を整理し,今後の研究の方向性を考察する.
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中尾 教子, 伊藤 志帆, 平野 智紀, 城戸 楓, 緒方 広明
2021 年2021 巻3 号 p.
202-205
発行日: 2021/10/29
公開日: 2021/10/29
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究プロジェクトでは,教材の配信システムが学習者に対して数学や英語の問題を推薦する際に,学習者の学習行動から説明生成を行うシステム「EXAIT」の開発を進めている.本稿では,問題推薦の根拠を提示するシステムを利用することにより,学習促進にどのような影響があるかを分析するための質問調査の設計について報告する.先行研究をもとに,メタ認知,学習観,自律的学習動機,学校適応感という4つの尺度から成る66項目の質問調査を設計した.
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