2023 年 2023 巻 1 号 p. 242-245
学校教育において,児童・生徒の心身の健康状態を把握することは,学習状況の把握と同等かそれ以上に重要である.これまで,養護教諭を中心としてこの把握が行われてきたが,最近ではクラウドを日常的に利用できるようになり,より迅速かつ詳細な情報の把握が可能となっている.そこで,本研究では,小学校において日々蓄積される児童の心身の健康状況に関わるどのデータをどのように管理,利活用すると健康課題の解決や養護教諭の仕事量の削減に寄与できるかを明らかにすることとした.その結果,養護教諭の実感としては,従来の紙で情報を集めていたときと比べて,1日あたり約2時間程度短縮することができたとのことであった.また,要配慮児童の発見や情報共有が迅速かつ広範囲に行われ,チームで即座に解決に向けた取り組みが可能になることが示唆された.