2024 年 2024 巻 2 号 p. 19-26
本研究の目的は,卒業後の職業選択肢が幅広い学際系学部での探究学習において,キャリアデザインに必要な「自己探索」に着目し,授業課題の取り組み過程で学生が「自己探索」するプロセスおよびそれを促す学習環境について明らかにすることである.授業リフレクションと協力者12名のインタビューデータを複線径路・等至性モデル(TEM)を用いて分析した結果,学生が介入計画を実践・評価する活動のデザインが,既有の知識を統合的に適用して「したいこと」「できること」「求められていること」を明確化する必要性を作り出し,「自己探索」を生じさせていた.